KURURAとは
KURURA(COLOMAGA 伊豆市版)とは?
「故郷を自慢できる子どもを増やしたい」「デザインの力で地域を元気にしたい」そんな想いから始まりました。
「子どもたちが創るローカルマガジン」略して「COLOMAGA(コロマガ)」。子どもたちの好奇心と大人の本気がコラボして地域情報誌を創るプロジェクトです。全国に広がりつつあるこの活動のスタートとなったのが「COLOMAGA伊豆市版・KURURA」です。
KURURAの原稿を創っているのは小学校4年生~中学3年生の伊豆市の子どもたち。
子どもたちは自分の住む「まち」を「観る・聞く・話す・食べる・嗅ぐ」と五感を使って取材し、プロのクリエイターから表現の仕方を習得し、子ども達自身が原稿を作成。プロのデザイナーがレイアウトして冊子にし、フリーペーパーとして観光案内所や地域のお店などで一般に配布されます。
地域の事情
伊豆市には豊かな地域資源(自然、歴史、食、伝統文化等々)があるにも関わらず、暮らしていると「当り前」になってしまっていその価値に気づきにくくなります。
子どもたちは大人から「何もない田舎」と言われて育ち、シビックプライド(地域への愛着)が低い傾向にあります。
近年、全国多くの市町村が抱える課題の1つとして「人口減少」が挙げられますが、伊豆市も毎年減少の一途を続け、特に若年層の人口流出が著しくなっています。
このままでは文化の継承者も地域コミュニティの担い手も失い衰退の一途が懸念されています。
伊豆市は2011年、高校生を対象に実施されたアンケートで約6割が「将来伊豆市に住みたくない」と回答。その背景には地域への愛着の低さが伺えました。
KURURAヒストリー
2013年、「デザインの力で地域を元気にしよう」という目的で、静岡県修善寺南小学校5年生の授業として、子どもたちとプロデザイナーが創る地域情報誌「KURURA(くるら)」を制作。
この完成発表会で子どもたちが口々に
「近くに住んでいたのにこんなに良い所があるなんて知らなかった」
「大人たちがみんな優しくて、頑張っている人たちだった」
と、「なにもない」はずの故郷に対しポジティブな印象を持つようになることがわかりました。
そこで翌年(2014年度)からは募集を一般公募として、市内全域から、参加したいこども(小学4年生~中学3年生)を募集して実施。最初は認知度も低く参加者を集めるのにも苦労しましたが、伊豆市・伊豆市教育委員会の後援を受けて徐々に浸透し、2015年には静岡県の事業として採択され活動資金を得るとともに継続への糸口をつかみ、以降クラウドファンディングやサポーターからの資金援助等を得ながら継続してきたことで、現在は市内外の認知度が上がりつつあります。
2018年度には、ここから波及した文教区での同様の活動と共に経済産業省主導の「キッズデザイン賞」を受賞、2019年度はさらに伊豆の国市、山梨県北杜市に拡がり、全体を包括した「子どもローカルマガジンプロジェクト」として活動を進め、日本新聞博物館(横浜市)での企画展「ローカルメディア」でも取り上げられるなど活動の幅が広がりました。
またSDGsをけん引すると言われているESD(Education for Sustainable Development)の分野では、この活動がESDの実践活動として高い評価を受け、ESD-J(持続可能な開発のための教育推進会議)からも後援をいただいています。
やってみたら、いいことがいろいろ
◎子どもたちが体験や取材を通して地域の魅力を再発見し、地域愛を深め、将来市内に留まろうというマインドになります。将来的には地域の伝統文化やまちづくりの担い手となることが期待できます。
◎子どもたちを通じて大人もまちの魅力を再発見し、「ふるさとは良い所」と伝えられるようになります。
◎イラストや文章の制作過程で創造力が育まれ、それが冊子に掲載されることでこどもたちの自己肯定感が高まります。
◎「中学を卒業しても続けたい」という子どもたちが、自発的に「子ども編集部」をつくり、さらに大学生になって「コネクトチーム」を作り、後進の指導や運営を担うようになり、小学生から大人まで様々な関わり方ができるようになってきました。
◎他の地域に活動が拡がり、それぞれの地域の課題を解決するのに少し役に立っている、かも。
◎他地域で実施されているコロマガの仲間たちと「コロマガサミット」を開催するなど交流して子どもも大人も視野が広がっています。